不思議な涙

昨日は、恒例の剣道講習会があり、雨風の中

防具一式と木刀を抱え参加しました。

受付のお手伝いをしながら雑談していると

私達の前に事務局長をしていた先生が95歳で亡くなられた

という訃報が飛び込んで来ました。

2年半前に脳梗塞で倒れられて、入院されていました。

2年ほど前に、お見舞いに行った時は、言葉は出れなかった

けれど、意識がはっきりされてて、涙を流して手を握って

喜んでくれたのが、印象に残っていました。

その後、やはり何度か脳梗塞を再発されて、ほとんど寝たきり

になられたとの報告は受けていました。

何分高齢であられるし仕方ないかなぁとも思っていましたが

もう一度お見舞いに行きたいねと話していた矢先でした。

2,3日前も息子とも先生の話をしていた所でした。

95歳で大往生ですし、もう静かに安らかに永遠の眠りに

つかれる事で悲しみより安堵の気持ちの方が大きかったです。

だから、お通夜の読経の間も、先生と稽古していた頃の様子が

走馬灯のように頭の中を駆け巡り、懐かしさと先生への感謝の

気持ちで、ご冥福をずっと祈っていました。

いつもニコニコと「おいで、しよう♪」と手招きされて

稽古をしてくれましたね。たまたま出来なかった日には

「今度、しようね。」と必ず声かけてくれましたね。

小柄の身体に秘めた魂の強さにいつも感服していました。

大正生まれの独特の頑固さと裏表のない優しさが魅力的な

先生でした。不思議と涙は出ませんでした。

ところが、お参りも終わり、帰路へとの車中の中、涙がじわじわと

出てくるのです。悲しいとか言う気持ちは湧かないのですが・・・

初めての経験でした。

心の涙だったのでしょうか?

先生有難うございました。そしてお疲れ様でした。

どうぞ安らかにお眠り下さい。

                        合掌